意思決定力は同族企業ならでは?
非公開企業のメリットとデメリット

 2013年にサントリーグループの海外進出などを見越して、清涼飲料などの分野を担当するサントリー食品インターナショナルが東京証券取引所1部に上場されたが、2009年に設立された持ち株会社であるサントリーホールディングスは依然として非公開企業だ。 

 同族の非公開企業の場合、実質上特定少数の同族の株主しか株式を保有できないため、「自分たちの会社」との意識が強くなることが考えられる。

 また一般企業のように、株主総会での決議などの手続きが不要になる。今回の大勝負に関しても、株主の了解さえ取れれば迅速にM&Aにゴーサインを出すことができる。それはある意味では重要なメリットだ。

 一方、少数の人たちが企業経営の意思決定を行うため、その経営者が判断を誤ると、意思決定の過程でチェックがかかりにくいというデメリットもある。ただ、M&Aのように短期間に重要な結論を導き出す案件については、迅速な決定のメリットは大きい。

 どうしても大企業の雇われ経営者では、大きなリスクを抱える案件の決断がなかなか付きにくい面はあるだろう。同社や創業者経営者である孫氏が君臨するソフトバンクが、大規模なM&Aを行っているのは、そうした利点を生かしていると考えられる。

 つまり、企業の所有と経営が明確に分離されていない、同族企業や創業者経営の企業の方が、リスクを取ってでも事業規模を拡大しようという一種の「アニマルスピリット」を発揮しやすいと言えるかもしれない。

 どのような優良企業でも、常にイノベーションを心がけて企業を発展させていく必要がある。そうでないと、長い目で見た企業の存続意義が薄れてしまう。たとえば、特定の製品を扱って高収益を上げている企業であっても、その高収益を狙ってライバルが参入してくる可能性がある。