ESで必ず聞かれる質問「志望動機」について。それをしっかりと書き上げるために必要な企業研究とは何か。多くの学生がしてしまう失敗とその対策について考えてみよう。
企業研究をサボって、
就活に失敗したK君
志望動機の落とし穴を、商社志望のK君を例にみてみよう。
大学時代に何回も海外旅行にでかけたK君。旅先でのトラブルや、困難をいくつも乗り越えてきた。文化や価値観が違う異国の人との触れ合いは、日本では味わえない感動があった。
日本に帰ってきてからも英語の勉強を継続的に行い、次の旅行に備えていた。その経験から、就職活動でも海外で活躍できる会社を探し、最終的に第一志望を商社に選んだ。働いている人が魅力的で、動かしている金額が大きい。しかも、世界中を飛び回って仕事ができる。さらには、給料が高い上に、近年の好業績だ。
OB訪問をしてもみカッコイイ人ばかり。面倒見も良くて、話も面白い人ばかりだった。商社のビジネスの全体像を把握して、ESを書いて提出した。
結果はどうだっただろうか。提出したESのほとんどが落とされてしまい、面接に進めた会社も1次で全滅してしまったのだ。
では、K君はどうすれば良かったのか。
4つの視点から見てみよう。
1.その企業で働いている人の「実際」を理解しよう
K君は旅行に数回行った経験を元に、商社を志望している。しかし、所詮は旅行だ。大学生のK君にとっては大きな挑戦だったと思うが、実際に海外でビジネスをしている人からしたら遊びにしか見えない。
OB訪問をした時に、その企業の社員が見せてくれるカッコイイ部分だけを鵜呑みにしないでほしい。じっくり話を聞くと、相当シビアな世界で闘っていることがほとんどだと思う。
旅行中は新しい発見の連続でワクワクしたかもしれない「文化や価値観の違い」は、ビジネスの世界になると非常に大きな困難になることが多い。
商社業界で活躍している方は「カッコイイ」「華やか」というより、「徹底的に誠実で真面目」「泥臭いことを当然のようにする」という印象が強い。
多くの場合、大学生が業界や企業に対して抱くイメージと実際には乖離がある。そのギャップを埋めるために実際に働いている人から話を聞くようにしよう。
それができていれば、「この学生は分かっているな」と感じさせるESを書くことができる。