室﨑委員長 「学校の運営のあり方については結論を出しているつもり」

遺族 「数見委員が、以前校長の人事についてかなり問題があると言っていたが、どの程度突っ込んで調べたのか?」

室﨑委員長 「問題として認識しているが、調べていない」

遺族 「どうしてですか?」

室﨑委員長 「校長の人事にはリーダーシップや危機管理の重要なファクターが必要だと思っている」

遺族 「そのファクターがない人物が選ばれた」

室﨑委員長 「断定できないが、現実がこうなんだからその通りです」

遺族 「そういう人事がされたことが問題だと明記してもらってもいいですか」

室﨑委員長 「人事の問題なのか、個人の資質の問題なのか。関連はあると思うが」

遺族 「校長のリーダーシップが原因だとおっしゃいました。それを突っ込んで調べなければならない」

室﨑委員長 「これ以上は突っ込めない。我々は、責任の所在を中心に考えるのではなく、基本的には同じ事かもしれないが、どういう問題や原因があったかを調べるのが、再発防止につながっていく。そこは、検証委員会の考え方と開きがあるのではないか」

 教職員の人員について、別の父親からもこのような指摘があった。

遺族 「大川小は、20年度と21年度の2年間で、13人のうち9人の先生が替わっている。異常だと思う。この人事を考えない検証委員会は、問題だ。今回、そこに踏み込めることができなければ、そこを明記しなければならない」

室﨑委員長 「わかりました。勤務年数の構成が、大川小の防災体制に影響を与えたとことは分析して書きます。その上でわからなかったことは、重要だけど、なぜこんな人事構成になったのか、踏み込めなかったという理由を書きます」

 こうやって、父親も母親も、入れ替わり立ち替わり遺族たちがマイクをにぎり、議論は途切れない。

 そのうち、ある母親がぽつりと、「壁があるね」といい、他の遺族の父親は、「ここから先は突っ込めない壁があるなら、そこでお手上げ、バンザイとはっきりさせた方が教訓になる」と応じた。

 肝心な部分になると、詳細な説明ができないとしてきた市教委の姿が、検証委員会に重なったのか、母親の1人が、泣きながらこんな風に思いを語った。

「誰も、先生の言うことを聞いて死んでいった子どもたちのことを見てくれないんですか? (委員は)立派な肩書きがついている人たちなのに……誰も。なんで、市教委と同じ対応なんですか?」

 別の母親も、落ち着いた声で話し始めた。この1年、委員たちや県教委、文科省が欠かさずかかわってきたことや、事務局が掛かりきりで仕事をしてきたことを認めつつ、成果が出ていないと怒っていた。