ところが、今村氏はこの質問型営業の研修を受けて、「お客様は自分の欲求によって買われる」ということを確認したのです。
「『購入してもらうためにはお客様は何を求めているのか』『何を必要とされているのか』『そのために何をすればいいのか』を考えるようになりました。この時に、単なる説明(プレゼンテーション)ではそれを埋めることはできない、やはり、お客様のことを知るためにもっと聞くことだとわかりました。『なぜ、プリウスをお考えなのですか?』というような簡単な質問をしました。そうすると、『今の車の燃費が悪くて、ガソリン代も上がっているから。燃費がいい車が欲しくて』などの答えが返ってきて、『それならプリウスがいいですね』というだけでお客様への説明がスムーズに行くようになりました」
買わせるためではなく、
買いたい理由を聞けばいい
買いたいという意思はお客様の心の中にあります。買わせるためにいいところを伝えるのではなく、買いたい理由を質問で聞けばいいだけなのです。
「質問を中心とした会話が行なわれ、お客様との会話も自然と長くなり、お互いのことがわかる関係を築けるようになりました。また、このような会話からお客様の車を購入する最終的なハードルもわかるようになってきました。
話をしているうちに『誰が買うのか?』『いつ買うのか?』『何を求めているのか?』『予算は?』『ここで買うことがなぜ良いのか?』これをお客様は心の中に持っておられるということがわかりました。
結果、会社の中で成績も後ろから数えた方が早い人間でしたが、いつの間にか上位に入るようになりました。悪い時は45人中40位ぐらいでしたが、質問型営業を実践してから2位に。そして、1位も質問型営業の研修を受けたメンバーです」