ただ、「“引きこもりで結婚”というテーマが出るとは思わなかった」「引きこもりと結婚は遠いものと考えられているけど、高齢化していく中で、いろんな選択肢があってもいいのではないか」との話も紹介された。

「お金の話」のテーブルは、かつて金融機関に勤めていた当事者が、「もし株やFXで儲けられるとしたら、引きこもっている私たちにとっては、1つの収入源になるのではないか」という発想から生まれた。

 引きこもるにしても、お金は必要だ。株は500円くらいから始められる。投資はスタイルや性格を踏まえて合うものを選ぶ。時間があることを前提に、投資を通じて社会、経済を学べることにつながる。無理のない範囲内の投資なら、部屋にいながら世の中とつながることができる。ただ、詐欺もあるので、こういう怪しい手口については要注意という紹介もあったという。

イベントに参加したことで
子どもの苦しみにはじめて気づいた母親

「ひきこもりカフェ」は元々、当事者の発案から始まったアイデアだ。ただ、実際に運営している、巣鴨のコミュニティカフェ「葵鳥(あおどり)」や、西早稲田の大人の発達障害のための「ネッコカフェ」、千葉で一軒家を開放しているNPO「道草の家」、これから湘南でスペースをつくろうとしている「湘南ユースファクトリー」の代表者らが参加し、それぞれ資料を持ち寄って情報交換。安心できて、共有できる場とは、どういう場なのかを話し合った。そして、「ひきこもりカフェって、ネーミングがいいよね」「フラリと行ける場所って、いろんな地域に必要だよね」という話になったという。

「フリースペース」のテーブルでは、いろいろな人が出入りするため、まとまった話はない。ただ、庵をきっかけに事業をスタートさせた当事者から、最近、自ら立ち上げた「苦しみと哀しみに寄り添う会 SAALA(サーラ)」について、次のような報告があった。

「引きこもりである、なしにかかわらず、働いているかどうかにかかわらず、いま悲しい思いをしている人、つらい思いをしている人に、ネガティブな気持ちを持ってしても、同じ境遇ならわかり合える。そう実感できる場として運営しています」

「家族関係について」のテーマを提案した当事者のTさんは冒頭、テーブルの参加者に、こんな話を披露したという。

 長年、親から世間体の良い人でいることを強いられ、そのために暴力も受けてきた。

 引きこもりの会などに参加するようになり、同じような悩みを持つ仲間と出会った。 数多くの会に参加するうち、行動力が評価され、「親の力を借りる必要はない」と考えていた。