第2、第3のマルハニチロ事件が起きる!?
その決定的な理由とは?

 たとえば、マルハニチロの事件では、犯人が休憩時間を利用して鍵のかかっていない部屋に入り、容易に異物を混入できる状況だったとされていますが、これは不正を働く「機会」があったことを示しています。

 また、報道によれば、犯行の動機として給与待遇に対する不満があり、不正を働く「動機」があったことが伺えます。

 犯行を「姿勢・正当化」させる要因については不明ですが、報道によれば、以前にも犯人による商品のつまみ食いがしばしば行われていたことから、犯行に対する心理的ハードルは低かったのではないかと想像されます。

 このように、農薬混入事件が発生した背景には、これだけの不正リスク要因があるのです。現在進められているフードディフェンスのような、「不正を働く機会を封じ込める」だけでは根本的な解決にはならないと考えられます。

 企業の「不正リスク」を他の事件からも考えてみましょう。先日、学習塾大手の株式会社リソー教育(以下「リソー教育」)において、不正会計が発覚しました。