発見された無人機の外観からの考察

 韓国で墜落しているのが発見された小型の無人機がメディアを賑わしている。私は過去にラジコン機器のメーカーで仕事をしたことがあり、無人機を飛ばして写真を撮ることは現在の趣味でもある。そのため、このニュースを大きな関心を持って見守っている。

 私がラジコンの世界に深くかかわってきたことは、この連載でも何度か触れている。ラジコンカー、飛行機、ヘリコプターの大会に数多く出場し、その心臓部であるラジオ・コントロール装置の開発で世界的な企業である双葉電子産業へのアドバイザー&製品開発プロデューサーとしても関わってきた。

 最近ではいわゆる無人機も、高度なICT制御技術の民需化により、私の趣味の範疇に入ってきたことも、すでに触れてきた。

 そんななかで、北朝鮮で作られたと報道されている小型の無人機のニュースが飛び込んできた。この無人機の技術レベルはどの程度か、ニュース等の写真、情報等をもとに、私なりの考察をしてみたい。

無人機の写真からわかること

 今回の無人機は2種類が報道されている。我々が飛ばしていたような主翼と尾翼のあるV型テール翼のラジコン機型のものと、主翼と垂直尾翼しかない無尾翼型の機体である。

 共通する特徴は、

・どちらも空と雲をイメージした迷彩塗装が施されている
・レーダー等に反映されにくいグラスファイバーや、ポリカーボネートという、ポリマー系(金属でない)素材でできているとのこと
・翼厚が厚いため、低速での飛行が可能となり、またカメラ、FPV(First Person View:後述)用と飛行用のGPS、ジャイロ、無線送受信機、燃料タンク、パラシュート等々を収納するスペースが確保できている?
・日本製の2ストローク模型エンジン(消音機の形状から判断してOS社[小川精機]製の10ccクラス?)を搭載している

北朝鮮の無人機開発技術は
ロシアがバックアップ?

 北朝鮮は昔からロシアとの関係が深い国であり、ロシアは航空宇宙技術では世界のトップレベルと言われている。戦闘機、ロケット等ではその実力が米国等にとっても脅威とされるレベルであることは、多くの人の知る所だと思う。