4.システム構築の時間と費用が圧倒的に縮減される
業務を把握することが、実は会社にもっとも大きな利益を生み出します。現代社会はITとは切っても切れない状況で、システムは早いサイクルで更新されていきます。古いシステムをそのまま使っていると、仕事のスピードを落としかねません。もっとひどいのは、一度入力したデータを出力して、また違うシステムに入力すること。二度手間、三度手間が発生する事です。著者は、人がシステムに使われてしまっている状態を危惧しています。
それを解消するために、新しいシステムを入れようとしても、費用が高くつきます。なにが問題なのでしょうか。制作期間が問題として挙げられます。どのような仕事があるのかを把握することから始めるので、制作に時間がかかり、作ったところでまた手戻りが発生する可能性があります。最悪、つぎはぎだらけのシステムを使わざるを得ないなんて企業も多いでしょう。
しかし、業務をすべて把握していれば、新たに把握する必要もないし、手戻りも発生しません。また、自社に合ったシステムを選択するのも容易に。システム構築費用を1/10に抑えることも可能です。業務プロセス可視化法は、常に改善が行なわれているので、もちろん常時更新された状態であることも強みです。それも全社員が主役となり、主導しているからです。
5.人材の育成がコストを圧縮させる
ポイントは、今いる人材を強化することにあります。著者のいう「多能職化」です。業務を効率化していくことで、今まで必要としていたコストを半分にできます。余剰人員は生まれますが、だからといって、人切りの道具にしてはいけません。
たとえば、アウトソーシングもムダの一つといえるでしょう。効率化のために採用していましたが、これを内製化すればいいのです。もう一つのメリットは、アウトソーシングしていたことで、見えなくなっていたその業務が見えるようになることです。
また、いままで手の出せなかった新事業に人材を投入できることも可能です。いまある仕事の効率化を社員を主役に進めれば、仕事をラクにし、仕事の幅を増やしていけば、まさに次のことが叶います。