まずマッケンジー法という運動療法にある腰を反らす運動をやることで、腰痛はかなり改善しました。しかし改善後も、まだ腰を横に深く曲げたときの腰の付け根の痛みは残っていました。
次にマリガン法という運動療法にある腰の付け根を固定して腰を曲げる体操を試してみたところ、残っていた腰の付け根の痛みがなくなりました。
なんとか日常では腰痛を感じることはなくなりましたが、腰全体のコリは残っており、腰の筋肉を押すと痛みがありました。この残ったコリと圧痛はトリガーポイント法という方法を応用して、筋肉を圧迫して運動することにより消えました。これで私自身は腰痛に不安がなくなったのです。
タイプ別の体操で
腰痛を完治させる
このようにして私は、『腰痛診療ガイドライン』をはじめ、認知行動療法や経験的治療、マッケンジー法、マリガン法あるいはトリガーポイントなど従来の知見をもとに、なるべく多くの腰痛の方に役立てられる実践的な腰痛改善方法を、日々の診療の積み重ねから作り上げることができました。
根本的解決法としては運動療法、つまり体操が有効ですが、どのような体操がその人に適しているのかが問題になります。運動療法であれば、何をやっても効果があるわけではありません。私の実体験のように、その時、その人に適した体操を見つけていく必要があるのです。
そこで体のどの部分が痛むのか、その痛みをナビゲーションとして腰痛をタイプ分けする方法を考案しました。