景気が良くなっても、
なぜ給料は上がらないのか?
「労働者は、なぜしんどいのか?」
その大きな理由を占めているのは「お金」です。つまり、給料です。働いても働いても給料が上がりません。むしろ、この15年は、給料は下がっています。
1997年から2013年を考えると、サラリーマンの平均年収は2007年と2010年にやや上がっただけで、今年まで傾向的に下がっています。2002年から、リーマンショックが起こる前の2007年まで、日本は通称「いざなぎ超え」の戦後最長の景気拡大期と言われていました。その景気拡大期でさえも、給料は下がっていったのです。
景気が良くなっていれば、給料も上がっていそうな気がします。しかし、そうはなっていません。ある特定の企業だけ下がっているのであれば、納得はできます。しかし、世の中全体が下がっているのです。
なぜか? その答えを知るためには、まず「商品の価格の決まり方」を理解する必要があります。
商品の値段はどのように決まっているのか?
「自分の商品を高く売りたい」
「安売りしたくない」
多くの方がそう感じていると思います。売り手としては、できるだけ高く売りたいですね。しかし、売り手がいくらそう考えても、実際に買うのは消費者です。値付けをするだけならいくらでも可能ですが、実際に買ってくれなければ意味がありません。
消費者が買ってくれるには、妥当な価格を付けなければいけません。では、その「妥当な価格」とは、一体いくらなのでしょう?
もちろん、その商品によって異なります。しかし、『資本論』の理論を読み解くと、値付けの公式が読み取れます。つまり、「消費者が妥当と感じてくれる価格」とは? が見えてくるのです。マーケティングやキャッチコピーだけで売ろうとする前に、基本となる理論を知っておくべきです。