株買い増しに動かぬ生保

 では、同じく巨大機関投資家である大手生保はどうか。こちらはといえば、株式保有比率の引き上げには依然慎重で、債券が運用の要であることに変わりはない。

 むろん、10年物国債利回りが0.6%、20年物でも1.5%しかない歴史的な低金利下では、生保も厳しい。とりわけ、予定利率が1%程度に下がった円建ての個人年金保険など、貯蓄性商品の売り上げは激減。それが如実に表れたのが14年3月期の決算だ。

 外貨建て終身保険の販売が好調だった第一生命保険グループを除き、大手生保の保険料等収入は軒並み前年割れ。その一方で、本業のもうけを表す基礎利益は軒並み増えている。これは、好調な株式や債券による配当金収入の増加に助けられたからに他ならない。

 となれば、生保各社がこれまでよりも積極的な運用にかじを切っても不思議ではないが、それでも、外国債券や環境・インフラ関連への投資を若干程度増やすにとどまる。株式に至っては、一部の中堅生保を除き、前年並みか、さらに減らしていく方針だ。

 というのも、生保はバブル時代に巨額の株式投資を行い、わが世の春を謳歌したが、その後のバブル崩壊で痛い目に遭った。それ以降、ALM(資産・負債の統合管理)重視にかじを切ったのに加え、「数十年先の保険金支払いに備える巨額の“超長期の負債”を抱える生保が、今やリスク性資産を大幅に増やすことはないだろう」(植村信保・キャピタスコンサルティングマネージングディレクター)。

 国内の巨大投資家たちが一斉に日本株に向けて走りだすとなれば、株価も大きく反応するだろうが、大手生保の鈍い反応を見ると、過度の期待は禁物のようだ。

(「週刊ダイヤモンド」編集部 藤田章夫)