先週の総括

 先週の日経平均株価は前週のダウ平均・ナスダック指数ともに反発したため16600円台で寄り付いた。その後は国内の金融政策決定会合、米国でのFOMCを控えて様子見気分が広がった。

 結局日銀は海外経済・金融市場に配慮した形で据え置き、FOMCでは市場の予想通りにFFレートの誘導目標を0.25%引き下げ、4.50%とした。これを好感したこと、また米国経済の堅調さを裏付ける経済指標も発表され、米国株は大幅反発、為替も円安に振れたため一時16800円台まで上伸した。しかし週末に米国で再びサブプライム問題が再燃したため日経平均は急落、16517円で終えた。

 FOMCを終えたことで金利引き下げというイベントの出尽くし感がある。今後も米国株は不安定な動きを繰り返しがら「金利引き下げ催促相場」が続き、日経平均もそれに追随する展開となろう。

今週の予報

自動車業種:米国景気後退懸念で「晴」→「曇」

晴れ くもり

 今週の日経平均は16500円前後のもみあいを予想する。ポイントは週末の米国雇用統計。市場がエネルギー不足であるため、物色の方向性のはっきりしない展開となろう。

 日本は中間決算発表が本格化するが、自動車株に見直し買いが入っている。自動車株は現在日本が世界に誇れる唯一の産業ではないかと思われる。また自動車は数多くの部品を装備する組立産業であり、化学からITまで波及効果が大きいため、自動車産業が元気か否かで随分と景況感も異なってくるようだ。

 ところで自動車販売はアジア地域など自動車の普及率が上昇している国々と比較すると、日本国内の新車販売台数(登録車)は今年10月に28ヵ月ぶりにやっと前年同月比がプラスとなった。これだけ国内と海外と勢いが違うと株式市場も海外特に米国の消費動向に敏感に反応する。

 その米国では販売は失速気味だ。最近は新興国でも日本車は普及し始めているが、米国では高級車が売れるため利益率が異なる。加えて円高傾向となると自動車株は為替の影響が大きいため手が出しにくい。会社前提の1ドル=115円前後を大きく下回ってくると要注意だ。現在世界に供給基地を建設中であり、先行投資負担が利益を圧迫している状況でもあることから、売上げが落ちると大幅減益の可能性も出てくる。

今回のポイント(まとめ)

 日本が誇る自動車株も今年から来年にかけては業績の踊り場を形成すると判断している。ただしその競争力は今後も維持される見込みで長期投資家にとっては良い買い場となるであろう。