衆議院予算委員会が開かれている。麻生政権にとっては、通常国会での初めての本格的な論戦のスタートとなる。
野党民主党のトップバッターは細野豪志衆議院議員。若手論客の代表格ともいえる彼は、公務員の天下りや「渡り」について麻生首相に質した。
明けてきょう(2月4日)は、朝からずっと民主党の出番が続いている。国会論戦の華ともいえる予算委員会はまた、取材者にとっても最高の舞台でもある。
というわけで、筆者は国会にいる。とかく政策論争がないとマスコミに批判されがちの国会審議だが、果たして本当にそうなのか?
せっかくなので今回のコラムは、国会の現場から政策論争の実態をお伝えしよう。
「やるやる詐欺」前原発言で
出足から議場が紛糾
最初に登場した前原誠司副代表は、政府が新設したばかりの「地域活力基盤創造交付金」にいきなり噛み付いた。
「交付金」が公共事業にのみ使われることを指摘し、昨年、福田政権で閣議決定された道路特定財源の一般財源化が、あっという間に骨抜きにされてしまった、と首相を挑発したのだ。
「総理は、『やるやる』詐欺の常習犯ではないか。選挙をやるといってやらない。そして道路特定財源の一般財源化もやると言いながらやはりやらない」
結果、いきなり委員会審議が止まる。衛藤征士郎予算委員長が「無礼な言葉を使ってはいけない」と注意した途端、民主党委員が委員長席を取り囲んだのだ。
その後も、前原氏の攻撃は続く。事前通告がないと質問を突っぱねた麻生首相に対してこう煽ったのだ。
「そんな答弁ならば、家で寝ていたほうがよほどましだ」
道路特定財源の一般財源化の質問は、二番目の質問者・馬渕澄夫衆議院議員に引き継がれる。
「需要推計が13%も下がっているにもかかわらず、なぜ道路予算は減らないのか」