「悪夢の立憲民主党」を日本の救世主に大変身させる、政策転換と人材登用とは補選に三戦三勝、それでも政権交代は遠い。立憲民主党には何が足りないのか Photo:JIJI

岸田政権が末期的状態でも
政権交代はまず起きない

 岸田政権の支持率は極めて低く、政権交替すべきだというアンケート結果が48%を超えて(JNN調査)、俄然「自民党崩壊」「大きな変革の時代がくる」と期待が大きくなっています。

 しかし、自民党への信頼は落ちているものの、野党の支持率も全然上がっていません。日経新聞が行った次期衆議院の投票先の調査結果では、自民26% 、立憲12% 、維新11%、公明7%となっています。また選挙結果については、みらい予想研のシナリオでは自民235、公明27と議席は減らすものの与党が過半数を大きく上回りました。立民は13減の83、維新が56増の97で、野党第1党が交代するという結果でしかありません。もう少し過激な予想をするNEWSポストセブンの予測でも、自民202 、公明20 、立憲131 、維新83 、国民10、 共産10 、その他8 と、立憲中心の政権交替は不可能です。

 先日の補選で立憲民主党は三戦三勝して、勢いに乗っているのですが、野党が結束して政権交替に挑む姿勢がなく、立憲にもその意志がないようでは、自民・公明がなんとか過半数を確保することはできるでしょう。それが無理でも、国民民主か日本維新と結べば政権は存続し、大きな改革など起こらないという結果になります。

 私は、日本社会党に先祖帰りしたかのように、政権攻撃は得意でも具体策のない立憲民主党の現在の状態に、国民が政権を任せる気持ちがあるとは思いません。しかし、日本を大きく変えるためには、自民党が一度下野する必要、いや一度解党するくらいの大変革が必要であり、そのためには、群小の保守系と自民の連立では不十分だと考えています。

 そのため、別の角度から考えてみました。実は、政党支持率を元にした予測では、半数近い浮動票を計算できないからです。しかし、浮動票は私にも予測はできません。ならば、歴史に学びましょう。

 日本と違い中国では、歴史上、何度も政権(王朝)が交替しました。その度に使われてきた指標が「天の時、地の利、人の和」という孟子の言葉です。この3つがそろっていれば、その王朝が天下をとる。たとえば、三国志の時代は魏の国が「天の時」を持ち、南方の呉の国が「地の利」を持ち、弱小で狭隘な蜀の国は「人の和」で勝負していました。

 この観点から、立憲民主が主体となる大きな政権交替が起こる可能性について考えてみました。