自民党が狙う「3党同時決着」、立民野田は異例の武装解除発言国会に隣接する国立国会図書館。2月12日午後に開かれた自民党幹事長の森山裕と日本維新の会共同代表の前原誠司との会談場所となり、久しぶりに政治の舞台として登場した Photo:JIJI

 国会に隣接する国立国会図書館が久しぶりに政治の舞台として登場した。2月12日午後、自民党幹事長の森山裕と日本維新の会共同代表の前原誠司との会談場所になったからだ。国会図書館の中には国会議員が使える会議室が幾つもあり、出入りに関しても裏口がある。過去にも人目を避ける極秘会談が何度も行われている。今回の森山・前原会談は結果としてメディアにキャッチされたが、少数与党政権下での予算成立に向けた流れを変えるターニングポイントになった。

 共に長く国会に席を置きながらほとんど無縁ともいえる2人が会ったこと自体が教育無償化を巡る協議が大詰めを迎えていることをうかがわせた。

 衆院の与党勢力は自民、公明の両党合わせて220議席。過半数の233には13議席足りない。野党が一致して2025年度予算案に反対すれば成立はおぼつかない。過去にも竹下登、羽田孜のように予算審議で立ち往生して退陣に追い込まれた首相がいる。それほど予算の成否が持つ意味は大きい。

 逆に13議席差は立憲民主党、維新、国民民主党のうちどこか1党でも賛成に回れば当面の政権の危機は回避できることを意味する。ところが自民党が取った戦略は3党全部との個別接触だった。「二兎」どころか「三兎」を追った。首相の石破茂が米大統領、トランプとの日米首脳会談を終えて帰国した直後から、回り舞台が回るようにその仕掛けの一端が姿を見せ始めた。