中国と米国の関係も、戦略的に競合する関係ではあっても、二国間で実利を求める実質的な関係は深化している。米中間では7月9、10日に北京で開催された戦略経済対話など、首脳間の往来も含め政府レベルの対話が活発であり、次官級以上の対話枠組みは90を超えると言われている。韓国と米国の関係も、頻繁な首脳会談や政府間の協議で同盟関係の強化が図られてきている。

 このような中で、なぜ日中、日韓関係が際立って悪化しているのだろうか。この理由を明らかにすることは、将来の日中韓の関係を考える上で大切なことではなかろうか。

 しばしば、日中間では尖閣諸島問題や歴史問題をめぐり、韓国との間でも竹島問題や慰安婦問題をめぐり、関係が悪化していると言われる。しかし、これらの問題は国交正常化以降、長きにわたり存在し続けてきた。むしろ、これらの問題を織りなす背景が大きく変わってきたことが、問題を先鋭化させ、関係を悪化させている理由ではなかろうか。

国力を増し自信をつけた中韓
両国にとって日本の重要性は低下

 第一に、国力の変化に伴う相手国への基本的な姿勢の変化である。GDPを見れば、1990年には中国は日本の5分の1であり、韓国は10分の1であったが、今や中国は日本を超え、2020年には日本の3倍になるとも推測される。

 韓国については、日本の5分の1まで経済規模を拡大した。経済成長に伴い中国や韓国では、競争力で日本を凌駕する大企業も次々と誕生している。

 1990年代、中国は天安門事件で各国の制裁を受け、国際社会の中でむしろ孤立した存在であった。中国にとって日本は最も近い存在であったし、天安門事件の制裁を最も早く解除したのは日本であった。韓国も軍事政権から民主化していく過程で、日本からの政治的、経済的支援を必要とした。