生徒が作ったプレゼン資料

 だが、「Independent Studies」や「Speech Contest」でもっとも目を引くのは、生徒ひとりひとりによる発表方法の多彩さである。ある生徒は「時計の歴史」を発表するために時計の模型をつくり、歴史の進行を時計の針を動かしながら説明していた。また話をすることが苦手なある生徒は、フットボールについての発表をより視覚的に伝えるための工夫を凝らすことで自らのハンディを克服する伝え方に取り組んでいた。「パラドックス」を研究テーマに選んだある女子生徒は「はじめはどうやったらうまく見せられるか、と考えていたが途中からはとにかくわかりやすくするためにはどうしたらよいか、が大事だと気づいた」と話してくれた。

これからのビジネスパーソンが
持つべき3つの「届ける力」

 ここまで読んでいただいた読者の中には、紹介してきた3つの仕組みと、冒頭でお伝えした「届ける力」が既に結びついてきている方もいるだろうが、ここで改めて整理しておきたい。

 多様な人材が溢れるこれからの社会では、まず第一に「共通のフレームワークの上に立つこと」が意思疎通における前提となる。第二に「正解を捨てること」で、文化や価値観の違う相手との議論が成り立つ。そして第三に「伝わる伝え方をすること」ができて初めて、「自分の存在を相手に示す=プレゼンする」ことができるようになるのだ。

 それぞれはよく言われるスキルではあるが、そもそも「相手との属性が違うことが前提」という環境にいる、インターナショナルスクールに通う子どもたちにとってはこれらのスキルが生活を左右するほどのものであることを体で覚えていく。そしてこの3つのスキルは、次回解説していく「受け容れる力」を構成する要素とも共通している。

 次回「受け容れる力」編では、インターナショナルスクールが持つ「受け容れる」構造とこれからのビジネスパーソンに求められるスキルについて、実際の企業現場へのインタビューを交えながら解説する。