生活者は「私は水色の電気がいい」とか、「私は赤色の電気がいい」といった形で電気を選ぶ。経済性はもちろん、環境性、安定性……、何となくの気分。農産物と同じように「生産者の顔が見えるから」を電気選びの決め手にする人もいるでしょう。

 採水地ごとにズラリと並んだ水サーバーからお気に入りの水を選んで飲める「ウォーターバー」のようなイメージで、例えば将来、スーパーやCVSに「電気サーバー」が置かれる「電気カウンター」ができるかもしれない。

 そういうワガママや可能性が実現する。これが「生活者にとっての」エネルギー自由化の意義だと思います。

「認知度9割」だけど
あまりピンときてない自由化?

 もちろん、現時点では「エネルギー自由化」と言っても、生活者自身が「電気が水のようになる」と実感できているわけではありません。

 2013年秋に、私たちはエネルギー自由化に対する生活者意識調査を行いました。その結果、「自由化」の認知度は9割に達しますが、内容まで詳しく知っている人は全体の4%に過ぎないことがわかりました。

 また自由化のどこに魅力を感じるかという設問でも、「料金が下がる」という答えが大多数を占めました。自由化の関心は「料金」に留まっているようです。ちなみに「料金」に続く魅力は「競争の進展による技術の発展」が入りました。

 ただ、注目されるのは「多様性」「選択肢」「自分に合った電力会社選び」と答えた人も一定割合(全体の14%)を占めていること。自分の意思で、自分に合った電力会社を選ぶ、そのことを楽しみにしている、魅力に感じている人が一定数いるというわけです。

「電力小売り自由化後の意識」について尋ねた質問でも、「安くなるなら電力会社を変えたい」と答えた人が6割以上ともっとも多かったものの、「電気・ガス・通信とまとめて安く決済したい」も5割以上、さらに「再生エネルギーを扱う会社があれば、変えたい」という声も3割以上から聞かれました。

 単純に「1キロワット○○円」という料金だけではなく、誰が何を使って作られた電力なのかによって、電力という「商品」を選び取ろうという志向が見えています。

 もっとも、エネルギー自由化について「実感がわかない」「自分には関係ない」といった冷めた意見も少なからずあります。自分の意思で電力会社を選べるようになるのが、すでに2年後、2016年に迫っているのに、です。

 さらに「選ぶのが面倒」という声も多く上がっています。プレイヤーが増えて、各プレイヤーが複雑な料金プランや他のサービスとのセットプランを掲げ、顧客獲得競争が起こる。そんな未来を「面倒」とらえるのは、それが「自分たちの生活を素敵に変える」可能性が伝わっていないからかもしれません。