11月に入り、これから年末年始にかけては何かとお酒を飲む機会が増えてくることだろう。

 適量のアルコールはストレス発散になるが、過度の飲酒は悪酔いや二日酔いになるだけでなく身体の機能を弱め健康を害する原因となる。

 「二日酔いにはシジミの味噌汁」といわれる。柿やウコンもアルコール対策として一般的だ。シジミにはタウリンという成分が含まれており、アルコール摂取時に体内で増加する毒素・アセトアルデヒドの分解を促進する。柿は、タンニンが胃の粘膜に働きかけアルコールの吸収を穏やかにする。ウコンは胆汁の分泌を促進し、肝機能を強化するので日常的に摂ったほうがよいといわれている。

 さて、アルコール分解に効く成分として近年関心が高まっているのが、ゴマに含まれるセサミンだ。二日酔いや悪酔いの原因となるアセトアルデヒドは、肝臓で各種酵素によって分解され体外に排出される。セサミンはこの酵素に対し遺伝子レベルで働きかけ、分解効果を高めることが近年の研究でわかってきた。(研究発表:サントリー株式会社健康科学研究所 URL http://www.suntory.co.jp/news/2003/8604.html)

 もともとゴマは美容や老化防止に効くとして、古くはインド医学書アーユルヴェーダにも登場している。ビタミンEなど様々な有効成分が含まれているが、活性酸素を退治する抗酸化物質であるセサミンは特に貴重な成分だ。

 人間が活動する際に発生する活性酸素は細胞を傷つけ、老化の原因となる。身体の代謝工場である肝臓は活性酸素をもっとも多く発生させている。抗酸化物質にはいくつか種類があるが、血液中で弱体化せずに肝臓に直接働きかけるのはセサミン固有の特徴だという。

 つまり、アルコール分解酵素に働きかけると同時に、活性酸素を効率よく除去することで肝臓自体の機能も高めているのだ。

 ゴマ大さじ1杯程度(約10グラム)を毎日摂ると効果的。硬い殻に覆われておりそのままでは栄養素を吸収できないため、すって食べるか、サプリメントなどを活用して上手に摂取したい。