國貞克則氏の最新刊『図解「財務3表のつながり」でわかる会計の基本』は、財務3表のつながりを押さえることで会計の「全体像」と「仕組み」が理解できる入門書。國貞氏の開発した会計勉強法は、これまでの勉強法とどう違うのか?会計の専門家ではない私たちが会社の状態を分析するための効果的な方法とは?新しい会計勉強法の特徴をご紹介したい。
初心者のための
全く新しい会計勉強法
これまで多くの人が会計(複式簿記会計)の理解に苦しんできました。そういう私も例外ではありません。会計を勉強しようとすると「貸方」「借方」という言葉が出てきます。この言葉の意味がまず理解できません。
「貸方」「借方」といった簿記・仕訳のルールや、売掛金・受取手形といった勘定科目についての学習から入ると、会計の勉強がどうしてもイヤになってしまいます。
そのため私は、会計の初心者のために、会計の全体像と基本的な仕組みを効率的に理解できる、全く新しい勉強法を開発しました。
そのポイントは、財務3表のつながりから会計の仕組みを理解する方法です。財務3表といわれる損益計算書(PL)、貸借対照表(BS)、キャッシュフロー計算書(CS)を一体にして勉強することによって、複式簿記の仕組みが簡単に理解できます。
この勉強法の有効性はすでに証明されています。2007年に出版した拙著『財務3表一体理解法』(朝日新書)は、40万部が印刷されています。
この度、ダイヤモンド社から出版した『図解「財務3表のつながり」でわかる会計の基本』(以下「本書」)は、タイトルの「図解」が示すように、財務3表を1ページにまとめて表記した上で、説明内容をさらに簡潔にしています。
本書は、今までに会計の勉強をしたことがない人や、会計の勉強を途中であきらめてしまった人など、会計の初心者を読者層としてイメージし、私の開発した新しい会計勉強法をよりわかりやすく書き下ろしたものです。
会計の全体像と基本的な仕組みを
まず理解する
私たち会計の専門家ではない人間が会計に対する苦手意識やアレルギーをなくすためには、会計の細部から入って全体像を理解していくという今までの会計の勉強法ではなく、まず会計の全体像をつかみ、会計の基本的な仕組みだけをキッチリ押さえる勉強法のほうが有効だと思います。