なぜ、会計は難しいと感じるのか?

 多くの方が会計の勉強は難しいと感じておられるのではないでしょうか。このコラムを書いている私自身が元々機械エンジニアでしたから、昔は私も皆さんと同じように「会計は難しい特殊な分野」だと思っていました。しかし、会計の基本的な仕組みは極めてシンプルです。

 ではなぜ、多くの人が会計の勉強が難しいと感じるのでしょうか。私はいままでの会計勉強法にその理由があると思っています。多くの皆さんが会計の勉強につまずく理由や効果的な勉強法についてまとめてみました。

①木を見て森を見ずの勉強法
  会計の入門書では先ずPL(損益計算書)やBS(貸借対照表)の表の構造が説明されます。もう少し突っ込んで会計の勉強をしようと思えば「先ず仕訳(しわけ)の勉強をしなさい」と言われます。しかし、PLやBSの表の構造を勉強したり仕訳のルールをたくさん覚えたりしても必ずしも会計の全体像が理解できるわけではありません。会計を効率的に理解しようと思えば先ず会計の全体像を把握することが大切です。

②「そもそも論」が理解できていない
  私たちは子供の頃からお金の動きをあらわす表としては収支計算書しか見たことがありません。お小遣い帳も家計簿も現金の出入りを表す収支計算書です。ところが、会計にはPLやBSといったいままでに見たこともない表が出てきます。