ロシア文部省、州政府は、エクソン・モービルの援助を得て、サハリン国立総合大学に石油学部を新設した。石油・ガスの掘削、地質学、道路などインフラ建設、自動車製造の専門家を養成することを目的としている。授業は理論的な研究に加えて、地質学や測量などの実習が重視される。エクソン・モービルは、実習のために設備、機材を手供している。

 サハリン州では、若者が減少しているが、石油学部は人気があり、ロシア全土からの入学者が急増しているという。州はロシア全土から来た学生のサハリン定住を期待している。現在、少しずつサハリンエナジー社に就職する卒業生が増えている。

 サハリン国立総合大学石油学部は、さまざまな大学と協力関係を結んでいるという。中国政府、韓国政府は石油学部への留学生に奨学金を出すことを決めているという。今後、石油学部に中韓の留学生が増えていくと思われる。

 医療、教育以外にも、具体的には、石油・天然ガス収入を使う、さまざまな建設プロジェクトが計画されている。エネルギー開発の高度化のための、高度石油精製工場の建設および既存工場の拡張、州内の幹線道路の整備や鉄道網、港湾の建設、ユジノサハリンスク国際空港の整備、ロシアの国家的メガプロジェクトとしてのサハリン大陸間架橋計画である。

 5月に、日本がロシアの極東地域開発に対して貢献できることは多様である指摘した(第84回・P5を参照のこと)。今回の調査でその具体像を知ることができたといえる。少なくとも、ロシアはサハリン州の開発に本気である。劇的に増加するエネルギー開発の収入によって、これから毎年、毎年、訪問するたびにサハリン州は劇的に変わっていくことが予想される。

大接戦となったスコットランド独立の住民投票
独立反対派の「油断」と独立賛成派の「草の根」活動

 さて、スコットランドの英国からの独立の是非を問う、住民投票について考えてみたい。今回、サハリン州の話から入ったのは、おそらく今後、スコットランドはサハリン州同様、エネルギー収入を使った積極的な社会構築を始めると考えるからだ。

 住民投票では、全32選挙区の最終集計の結果、有権者428万人のうち、84.6%が投票に参加した。反対は200万票(55.25%)、賛成は161万票(44.65%)だった。独立が否決されたことで、ディビッド・キャメロン首相は「全英国がより良く明るい将来に向けて一致団結するときだ。公約した権限移譲を進める」と述べた。