パソコンの画面表示やウィンドウ、メニューなどの操作感を指すUI(ユーザーインターフェース)。米国ではすでに、意匠特許権として保護されている。一方、日本では意匠権としての登録が認められていないため、UIが十分保護されているとは言いがたい。

 今年7月、マイクロソフト社がジャストシステム社に、法人用オフィスソフト「JUST Office」の販売差し止めを求める通知書を送付したことが話題となった。このUIが、「Microsoft Office」のExcel、Word、そしてPowerPointのUIを模倣しているというのが、マイクロソフトの主張である。

日本では法制度の不備により、ユーザーインターフェースが十分に保護されているとは言いがたい

 現代のビジネスは、グローバルなネットワークに接続されたパソコンや携帯端末を抜きに考えることはできない。コンピュータ・ネットワークが現代社会の繁栄を築き上げたといっても過言ではない。

 ネットワークに接続されたパソコンがこのように普及した大きな理由の1つとして、専門家によって利用される情報端末から、誰でも利用できる情報端末へと発展したことがある。

 そして、誰にでも利用できる情報端末となるために寄与したのは、操作性の向上だった。その大きなカギとなったのが、画面の表示やそれぞれの表示の機能などのUIである。

 UIの向上によって、誰でもが専門的な教育を受けることなく、パソコンを利用できるようになった。これからも、UIの進歩はコンピュータ・ネットワークの発展にとって重要な要素となる。したがって、コンピュータ・ネットワークの先端企業における技術開発にとっては、UIの知的財産法による保護は重大な関心事となっている。