「商品価値」「使用価値」「感動価値」の3段階がある
川上:ゼビオの「感動価値」というキーワードについて、もう少し詳しく教えてください。
諸橋:「感動価値」に至るまでは3段階あると思っています(下図参照)。同じ商品を販売する場合も、お客様の欲しいものを提案するにとどまる一番左の「商品価値」は、単なるモノ売りと変わりません。
その次の使用シーンを想定してベストな商品をおすすめする「使用価値」は、「商品価値」よりも一歩進んだ価値提案ですが、それをさらに進化させたのが「感動価値」です。
川上:「感動価値」に至ると、従業員とお客様が商品を通して感動を分かち合えるのですね。
諸橋:その状態を目指しています。だからゼビオの小売店内には、例えばテニス用品コーナーなら、わざと昔の木で作られたテニスラケットを飾ることがあります。すると、家族で子どものテニスラケットを探しに来たとき「お父さんが中学の頃は、あそこに飾ってあるような木のテニスラケットを使ってたよ」という感じで会話が弾みます。これも感動を分かち合う1つの例だと思いますね。