裕福ではないが貧困ではないレベルの生活を送れている世帯にとっては「じわじわとだけど、苦しくなってきた、かな?」程度の影響で済む場合もある3%の消費増税は、生活保護世帯に対しては「ものすごく苦しくなった」という影響となりうる。もちろん、生活保護以下の生活だが生活保護は利用していない漏給状態の人々にとっては、さらに深刻な打撃であろう。

 なお、繰り返しになるが、冬季加算は現状でさえ冬季に必要な費用より不足しているということ、また本連載で繰り返し取り上げてきたとおり、住宅扶助も「健康で文化的な最低限度」の住環境の保障にはまったく不足していることを述べておきたい。冬季加算・住宅扶助・その他の扶助の不足分は、結局は生活扶助からの「持ち出し」で埋めるしかないのである。その結果、「しわ寄せ」はどこで起こるだろうか?

「特に何を節約していますか?」という質問に対して、生活保護利用者たちの35%が「食費」、15%が「水道光熱費」、17%が「衣服・履物費」と回答した。どのような人々が何を節約しているのかまでは判断できないが、筆者が接してきた生活保護利用者たちの傾向から推測すると、おそらくは「子どもの健全な生育と将来のことを考えると、社会生活は犠牲にできない」と判断する人々が食費や水道光熱費を節約し、「『ふつう』の社会生活を断念して生活せざるを得ない」と判断する人々が衣服・履物費を節約する傾向があるのではないだろうか?

 生活保護利用者たちのギリギリのやりくりには、

「その人にとって譲れない何か・守りたい何かに対して『一点豪華主義』的に費用を割り当てることによって、その他が『最低限度以下』にならざるを得ないことや『生活保護だから』という不自由や被差別に何とか耐えている」

 という傾向が多く見られる。その、自分を支えるための必死の「一点豪華主義」に対して「生活保護なのに!」という非難がさらに突き刺さる、という救いのない構造もあるのだが。

 衆院選の2日前となる次回は、社会保障と雇用に関する各党の公約を比較する予定である。また、「アベノミクス」が経済状況に何をもたらし、雇用の状況にどのような影響を与えたかについても検討したい。何が起こっていたのかをつぶさに見て、評価すべき点・評価すべきでない点を明確にし、投票に臨みたいものである。