景気対策のツケは財政に
財政再建の歩みは遅い

 国内景気に即効性のある対策として、「機動的な財政政策」の名の下に13年度約10兆円、14年度約5.5兆円の景気対策が打たれた。これが民間主導の自律的な景気回復にうまく結びついているかといえば、消費は弱まり設備投資は力強さに欠け、14年度は景気対策を縮小した分だけ景気は減速する始末だ。

 そのツケは、財政再建に回っている。国の借金である国債の発行高は安倍政権になってからも40兆円台半ばで、民主党政権時代と比べても横ばいのままである。安倍政権は国・地方の基礎的財政収支(PB=プライマリーバランス、社会保障など政策的に必要な支出を税収などでどれだけ賄っているかを示す指標。この収支が均衡すれば利払い費に充てる分以外に新たな借金はしなくて済む)の対GDP比率を15年度に10年度比(▲6.6%)で半減、20年度に黒字化するとしている。ただ、こちらも国の一般会計のPBをみると、民主党時代からほとんど赤字は縮小していない(図表3)。安倍首相は「来年の夏まで20年度黒字化の財政計画を出す」と明言しているが、GDP成長率が高まって税収が増えたとしても、たやすい道ではない。