リタイヤ組の移住者は年金や貯蓄がありますから、空き家を改修する余裕があります。でも、若い人はカネをそうは持っていないので、なかなか改修できません。

 そこで、村が支援できないかと考えました。空き家を村が買い上げて、ぼっとん便所などを改修し、それを若い人たちに貸し出すのです。12月補正で3軒分の予算をつけました。村営住宅を建てるとなると、平地がないので造成しなければなりません。造成費がかかり、戸建てを1軒建てるのは2000万円らいかかってしまいます。空き家を活用した方が合理的なんです。

 (空き家を活用した移住者誘致は)貸し手があって、成り立つ事業です。知らない人には貸したくないという人がいて、なかなか協力を得られません。でも、売るのはいいという人もいるんです。

地方創生を唱える国には
どれくらい本気度があるか?

――政府も地方の活性化に力を入れています。国に注文はありませんか。

「消滅可能性日本一」という報道のイメージとは裏腹に、元気に働く高齢者がたくさんいて、活力に満ちている

 高齢化と人口減に直面している村は全国にありますが、地形や環境、住んでいる人や状況などそれぞれ違います。ところが、補助制度もそうですが、他の制度も皆、画一的になっています。

 たとえば、介護保険制度です。高齢化率が6割の村も2割の村も負担の考え方が同じだと、(6割の村では)若い人が参ってしまいます。弾力的な運用ができないものかと思います。どこも同じ基準でやるのが平等だと言いますが、画一的にやられてしまうと厳しいです。自助努力だけでは、どうにもならない面もあるんです。

 国は「地方創生なくして国は元気にならない」と言っていました。人口減少問題をきちんとやっていただけると思っていますが、どのくらい本気度があるのか未知数です。