子どものインターネット利用は、飲酒や禁止薬物と同じ
はい、そのとおり。特に、子どものインターネット利用は、飲酒や禁止薬物と同じと考えましょう。
――過激ですよ、センセイ。禁止薬物なんて! みんな電車でケイタイいじくっているじゃないですか!
私もいじくってますよ。まあ、私は成人ですから仕事に差し障りありませんけども。
最近19年ぶりに全面改訂された、精神疾患の世界的診断基準である『DSM-5 精神疾患の診断・統計マニュアル』(医学書院)にも、「インターネットゲーム障害」というのが定義されるようになりました。
――ええ!! そうなんですか!
こんなことは、私が20年くらい前に学生だった頃から言っていたことですよ。たとえば、9歳の子どもが、親戚縁者のいない遠く離れた旅先に1人旅に行くことを、どれだけの親が喜んで賛成するでしょうか。
中には「それもいい経験だ」と許す人もいるでしょうが、おそらく多くの親は心配するでしょう。インターネットというのは、知らないところへ旅をさせるようなものです。
――なんですって!? 1人旅?
そう。だから、食卓でスマホ見ながら一家団らんなんて言語道断なんですよ。
私は、出張カウンセリングのほかに学校コンサルテーションもやっているのですが、本当に恐ろしい社会になってきているのは事実です。
親御さんにはその事実に一日も早く気づいてほしいです。
――まったく知りませんでした。とはいうものの、やめられませんよ。ケイタイは!
一度中毒になると、なかなか離れられない。大人が子どもを依存症にしてしまっているんです。
――では、どうすれば……
年齢の小さいうちに生活習慣をつくっておく。少なくともティーンエイジャーになる前までに(すなわち10歳になるまでに)。
曜日や時間を決めて役割を持たせる。親があれこれ条件を出して動かすのではなく、子ども自身が自分からやるように仕向けるということから始めたらいいと思います。
他にも、ネットや携帯電話をどうすればいいのかなど、本書には書いていますけどね。まあ、現実を見ると、大変これは難しい問題です。
――なかなか難しいですが、センセイ、新年早々ありがとうございました。勉強になりました!
こちらこそありがとうございました。あとは本に詳しく書きましたので、読んでみてくださいね。
――はい!
臨床心理士/専門行動療法士/行動コーチングアカデミー代表。兵庫県西宮市生まれ。
常識にとらわれない独自の指導プログラムにより、さまざまな子どもの問題行動を改善させる行動分析学者。数万件以上の難問題を解決してきた手腕から「子育てブラック・ジャック」と呼ばれ、日本各地のみならず世界各国から指導依頼を受ける国際的セラピスト。年間のべ1000件以上の相談活動を行い、これまでの相談実績は数万件以上。桜花学園大学大学院客員教授など研究者としてのキャリアを経て、2012年に長野県西軽井沢に5000坪の敷地を買い取り、「行動コーチングアカデミー」を設立。発達障害、自閉症、不登校などの問題解決に関わる人材育成を行い、現在、日本初の行動分析学を軸とした私立幼稚園の設立を準備していることでも注目を浴びている。「日本行動療法学会内山記念賞」(1999年)、「日本教育実践学会研究奨励賞」(2003年)、「日本行動分析学会学会賞(論文賞)」などを受賞。行動科学系の2大学会で初のダブル受賞となる。『NNNドキュメント』『スッキリ!!』(日本テレビ系)では、「今、最も注目されている教育者」として紹介。『あさイチ』(NHK総合)他にも出演。本書では、子育てにまつわる具体的な『行動の処方せん』を公開。著書にベストセラーとなった『叱りゼロで「自分からやる子」に育てる本』(大和書房)、『メリットの法則――行動分析学・実践編』(集英社)、『拝啓、アスペルガー先生――私の支援記録より』(飛鳥新社)、『自閉症児のための明るい療育相談室――親と教師のための楽しいABA講座』(共著、学苑社)などがある。
【奥田健次オフィシャルブログ】
http://www.diamondblog.jp/kenjiokuda/