(5)「イスラム国」征伐に自衛隊は加わるか?

「イスラム国」に対する米国主導の有志連合にはNATO諸国と中東などの22ヵ国(後方支援も含む)が参加し、それ以外のシリア、イランもイスラム国攻撃を行っている。

 これはイラクの露骨なクウェート侵略に対処した1991年の湾岸戦争に似た形勢だ。「イスラム国」は人質を捕え身代金を要求するなど、あまりの無法、残虐さが一因でアルカイダからも破門されたほどで「世界の悪玉」であるのはたしかだ。1月にフランスで起きたテロとの関連は不明確だが、これで欧州の反イスラム感情が高まり「イスラム国」征伐が加速されそうだ。

「イスラム国」に国土の一部を占拠されているイラク、シリアは日本にとり「わが国の存立」に関わるわけでもないから、「集団的自衛権」の行使として自衛隊を出すのは無理だが、「後方支援」として大型輸送ヘリや、中型輸送機、車輌部隊などを出すよう求められる可能性は十分ある。

 直接の戦闘を目的としなくても、輸送ヘリなどが対空火器の射撃を受けたり、補給用トラックの車列が襲われて自衛戦闘をするとか、自爆テロで補給基地が爆破される、などの状況は想定しておく必要がある。他国の部隊が襲われた際にそれを助けに行くことも、今の日本の議会は多分容認するだろう。戦後70年、一弾も戦闘で発射しなかった日本の平和の大記録は今年で終わるかもしれない。