−−−−スマホは便利な反面、つい動画を見入ったり、即答する必要のないSNSに書き込んだりと、必要に迫られていない作業で時間を浪費する落とし穴にもはまりがちですが…

 ありますよね。私も電子書籍を1冊買うつもりが、「これを読んだ人は、こっちも読んでいます」という宣伝文句を見ると、ついまた1冊買ってしまったりして、際限なく見ていることがあります。しかも、決済は登録しているクレジットカード引き落としですから、その場では「購入」という行為になんの痛みも伴いませんから、買うことで安心して読まないままという本も増えた気がします。

 仮に購入しないまでも、こうして「ダラダラ見ている」行為自体、自分では何も取られていない(以前よりかなり安くなった通信費だけかけている)つもりが、実は「時間を回収」されていて、その積み上げで「これだけのページビューがあります」と広告宣伝費を決める前提になっているわけですよね。自動的に掲載されるバナー広告もどれだけの人が真剣に見ているか判然とせず効果が不明瞭にも関わらず、その広告料金分も、結果として私たちが支払う商品・サービスのコストに上乗せされている。すべてが不確かな、しかし壮大なシステムの中に自分がいることを認識しなくてはいけないと痛感しています。

−−−−まずは意識的に“時間のオーナー”になることが、この環境変化を味方につける出発点なんですね。

 そうです。それも、ビジネスパーソンに限った話ではありません。主婦や学生であっても、意識的に創造的な時間価値を追求しようと考えて、時間の使い方や時間の流れ方を変えていくことで、人生が変わる−−−−大げさに言っているわけではなく、本当に生き方に直結するテーマだと考えています。(談)