冬至(とうじ)
新暦で12月22日~1月4日頃

「冬至」の頃には、太陽の黄経が270度となり、北半球では昼が最も短く、夜は最も長くなります。冬至と湯治の語呂合わせもかねて柚子湯が親しまれます。これから日が伸びていく1年の始まりに、柚子の香りや薬効で体を清める禊の意味も兼ねています。

冬の養生法:「黒い食べ物」を多めに食べる

 この時期は、恐れの感情が強く現れます。夜に寝付けない人や、過去のトラウマや嫌な思い出にうなされる人が多くでてくるでしょう。恐れは自然の畏敬の念に切り替え感謝の気持ちを形に表しましょう。

 この時期は基礎代謝が最も低下して体温も下がります。死体に近づいている時期ですから体調管理はことのほか大変です。まずは冷え改善。厚着をして熱を逃がさないようにしましょう。背中側にある「命門(めいもん)」というへその真後ろのツボを温めるとよいでしょう。

 黒豆は、精をつけ元気にしてくれます。正月料理には欠かせないものですが利水作用、造血作用もある健康食です。イソフラボンも多く若返りにもよいですが、便秘になりやすいので、食べ過ぎには注意が必要です。砂糖ではなく、蜂蜜を使うと便通にも問題が起きにくいでしょう。

小寒(しょうかん)
新暦で1月5日~1月19日頃

「小寒」は冬至を過ぎて寒さが次第に厳しくなる頃で、この節に入ることを「寒の入り」といいます。立春までの1ヵ月が寒の内です。松飾りをつけておく期間を松の内といい、関東では1月7日まで、関西では1月15日までです。

冬の養生法:「黒い食べ物」を多めに食べる

 屠蘇(とそ)は正月にお酒に屠蘇散をつけて、その酒を年少者から順番に飲むしきたりですが、屠蘇散は漢方処方になっていて、邪気を屠(ほふ)り、心身を蘇らせる効果を含んでいます。屠蘇散には、オケラの根(白朮:びゃくじゅつ)・山椒(さんしょう)の実・防風(ぼうふう)・桔梗(ききょう)・桂皮(けいひ)・ミカンの皮などが含まれ、初期の風邪や風邪予防、胃腸の働きを助けたり、体を温める効能があります。屠蘇散のティーバッグの残りがまだあれば、酒ではなく、お湯でほんの少し煎じて飲むだけで初期の風邪なら治ります。

 体調管理のために、冷えを予防しましょう。その場合、へその真後ろの「命門(めいもん)」、肩甲骨の真ん中上の「風門(ふうもん)」、足裏真ん中上の「湧泉(ゆうせん)」といったツボを使い捨てカイロなどで温めるのです。ゆったり首まで入浴して、これらのツボをマッサージしてもよいでしょう。

 豚肉は冬に効果的な食材です。ビタミンB群も多く含み、皮膚粘膜強化の他に滋養強壮、免疫力アップになります。豚肉と野菜たっぷり鍋でビタミンやミネラルを補給し、生命力の根源の腎強化をしましょう。腎強化は精力、成長、老化防止に役立ちます。