連載の最後は、『二十四節気に合わせ心と体を美しく整える』の内容から、冬の六節気の具体的な養生法を紹介します。冬は貯蔵の時。種になって次の生まれ変わりを待ちます。方向は北、色は黒、ミネラルを含んだ大海原の海がこの季節を象徴します。黒い食べ物の黒豆・黒きくらげ・黒ゴマなどや精力のつくすっぽん・うなぎなどを根菜と一緒に鍋として食すと効果的です。
立冬(りっとう)
新暦で11月7日~11月21日頃
「立冬」から冬は始まります。とはいえ日本では実りの頃で、秋たけなわです。平地でも紅葉が始まり、好天に恵まれて、澄んだ青空に紅葉が映える頃です。
冬は老化と関係した季節です。老化防止には、まずゆっくり休むことです。疲れをため込まないように昼寝もおすすめです。10分程度の昼寝でも午後の能率向上につながります。積極的に滋養強壮の食材を摂り、ゆっくり寝て体力を温存します。朝はゆっくり起きて、夜は早寝します。太陽の動きに合わせるのです。冬は早寝遅起きが重要なポイントです。
この時期には「首」に注意が必要です。首回りは脳に繋がる流れ、手首・足首は、漢方でいう経絡の流れの中でも最も大切な十二正経の部位にあたります。全身をめぐる経脈(気血の流れ)すべてが通るので非常に重要なのです。この部分を温めることで流れがよくなります。
ぶどうは、この時期の代表的な果物です。みずみずしく肌も潤いを保ちます。慢性胃炎や下痢、貧血、流産癖にとてもいいのです。安胎食材でもあるので、妊婦にはぶどうを勧めましょう。