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クラウド時代にIT部門は不要なのか?

――IT投資動向調査から見えてきた課題

内山悟志 [ITR代表取締役/プリンシパル・アナリスト]
【第37回】 2015年3月6日
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ITを攻めの武器として
戦える人材がいるかがカギ

 IT部門の将来の役割に関する調査結果からは、IT部門の存在意義が揺らぎつつあることも確認された。また、支出に対する決定権という点でも、IT部門の関与度は低下傾向にあることが示された。

 これまで果たしてきた「IT管理者」としての機能は将来に向けて急速に価値が下がり、替わって社員の働き方の改革やビジネス戦略への関与がより強く求められることになるとの見方が示された。一部とはいえ、将来に向けてIT部門の役割を「攻め」へと転換すべきだと考える企業が出始めた一方で、将来の役割を明確にイメージできていないIT部門責任者も少なくないことがうかがえる。

 今回の調査結果は、IT投資動向の実態以上に、投資戦略を描く立場にあるIT責任者、それを執行するIT部門自身の悩みの深さを示すものとなった。

 企業においては、効果的なIT投資を継続していくためにも、自社のIT部門の位置づけやその陣容、将来に向けて求める役割を問い直し、IT部門自身の変革を促すための努力を始める時期に差し掛かっている。

 一方、経営者にとっては、最新のICT技術でビジネスを創造し変革する攻めの部門がIT部門であろうが、事業部門であろうが、あるいは新設のデジタルビジネス部門であろうが、どこでも構わない。部門を問わずITを攻めの武器として戦える人材を確保・育成することができるかどうかが経営者に問われている。

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内山悟志
[ITR会長/エグゼクティブ・アナリスト]

うちやま・さとし/大手外資系企業の情報システム部門などを経て、1989年からデータクエスト・ジャパンでIT分野のシニア・アナリストととして国内外の主要ベンダーの戦略策定に参画。1994年に情報技術研究所(現アイ・ティ・アール)を設立し、代表取締役に就任。2019年2月より現職。


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日々進化するIT技術をどうやって経営にいかしていくか。この課題を、独立系ITアナリストが事例を交えて再検証する。クラウド、セキュリティ、仮想化、ビッグデータ、デジタルマーケティング、グローバル業務基盤…。毎回テーマを決め、技術視点でなく経営者の視点で解き明かす。

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