株価が上昇している。日経平均株価は、2月中旬に1万8000円を超えた。これは、リーマンショック前の2007年に記録したピークより高く、2000年頃の水準だ。2万円を超えるのではないかという声も聞かれる。こうした株価の上昇は、企業活動の実体に照らして正当化しうるものだろうか?

 以下では、企業利益がリーマンショック前のピークを超えたのは非製造業の利益が円高期を通じて伸びてきたためであり、アベノミクスの成果ではないことを指摘する。

企業利益はリーマン前には
まだ及ばない

 今年3月期の上場企業の決算は、好業績になると見られている。

 日本企業の収益力は本当に回復したのだろうか?

 3月2日に公表された法人企業統計の2014年10~12月期速報値によって全産業、全規模の営業利益の推移を見ると、図表1のとおりである。

 14年1~3月には消費税増税前の駆け込み需要の影響で利益が高水準になったが、その後は減少していた。それが回復し、14年10~12月期には14.6兆円となった。この水準は、リーマンショック前の水準にほぼ匹敵する。

 ただし、ピークであった07年1~3月期の16.3兆円には及ばない。