最後のγ-GTPに、〈おっ、朗報!〉と思われた読者が少なくないことは容易に想像がつく(笑)。筆者のまわりにも、「50は超えているけど、100はいっていない」という人は珍しくないからだ。

 総じて見ると、血圧と肥満に関する項目の上限値が大きく変わっている。実際ここ数年、「健康には小太りなくらいがちょうどよい」といった言説が定着してきている感があり、この流れと軌を一にしていると見ることもできる。

 また、最近ではむしろ、20代女性の痩せすぎのほうが問題視されている。厚生労働省の調べ(2012年2月発表)によると、20代の日本人女性の29%が痩せすぎだそうだ。

痩せすぎでも太りすぎでもダメ
平均余命が長い人のBMI値とは?

 では最後に、寿命との相関では、BMIはいくつくらいが理想的なのだろうか?

 一般的に、BMIの小さい痩せた人は肺炎や結核などの感染症の発病率が高く、BMIの大きな太った人は糖尿病や心臓病などの発病率が高いと言われている。

 米国の生命保険会社が数百万人規模の調査を行った結果によると――肥満度(BMI)を変数(横軸)として死亡指数(縦軸)をプロットしてみると、きれいに左右対称な下に凸な放物線に近い曲線を描くことが分かった。そして、最も死亡指数が低くなるBMI値は、26から27あたりになっている。さらに、この値は年齢とともに直線的に上昇し、男女とも40歳で22~23、50歳で約24、60歳で約26、70歳で27~28となっている。

 また、体型別に40歳時点での平均余命を調べた別の調査によると、BMIが18.5未満(痩せ)、18.5~25未満(普通)、25~30未満(太り気味)、30以上(肥満)の4群に分けて見てみると、男女とも25~30未満が最も平均余命が長くなっている。18.5以上の3群のあいだには、それほど大きな差はないが、18.5未満の平均余命は男女ともがくんと下がる(25~30未満と18.5未満とでは約7年もの差がある!)。つまり、寿命を考えれば、「小太り」「ふつう」「でぶ」が比較的僅差の表彰台であり、「ガリ」は入賞圏外ということになる。

 聞くところによると、アジア系である日本人の場合、一般的な米国人よりも最適BMIは少し低くなるそうであるが、中高年でBMIが20台前半から半ばというのは、先の新・基準に照らしても、正常かつ理想的ということになりそうだ。

 下世話な話になってしまうが、あなたがもし、「伴侶には長生きしてもらいたい」と考えるのであれば、「痩せ(すぎ)」は選ばないほうがよいということだ。仮にもし、人間の本能からして世の中すでにそうなっているとすれば、男女とも「痩せ(すぎ)」は晩婚ということになり、近年「痩せ(すぎ)」女性の比率が高まっていることが「少子化」の一因になっている、という推測も成り立たないではない。

 寡聞にして、「BMI別の初婚年齢」といったデータにはお目に掛かったことはないが、意外や「デブはモテない」との定説は覆るかもしれない。とは言え、「結婚すると、女は変わってほしくないのに変わってしまう。男は変わってほしいのに変わらない」との格言に倣えば、結婚時点でのBMI値分布の比較に意味はあっても、同世代の未婚者と既婚者とを比較する意味は乏しいかもしれない。

(吉田克己/5時から作家塾(R))

参考サイト:
「基準範囲」についての追加のご説明
http://www.ningen-dock.jp/wp/wp-content/uploads/2014/07/87c2c12976f72b1682830b8dbc83951c.pdf

健康診断に新基準を提言、正常値「緩めるべき」と専門家委員会
http://www.huffingtonpost.jp/2014/04/05/complete-medical-checkup_n_5095935.html

健康長寿ネット-長寿と栄養
http://www.tyojyu.or.jp/hp/page000000600/hpg000000508.htm