そんな軽自動車だが、登録車のような所有権登録制度がなく、「届出」制であり、多くの自治体で車庫証明が不要。現在、おおむね人口10万人以上の都市で、ナンバープレート公布後保管場所の届出が必要となっている。また、税制面や保険料などで軽自動車の維持費が安い。

 税制面での優遇、あるいは軽自動車の「恩典」と言った見方が、国際社会や国内からも論議されてきた。TPP (環太平洋戦略的経済連携協定)交渉の中でも、日本の農業が前面で注目される一方、米国は日本の軽自動車規格が米製自動車の参入障壁だから「廃止すべき」と主張してきた。

 また、かつては自動車業界内からも軽自動車の恩典に異論を唱える声が上がった時期がある。それは、エントリーカー(入門車)として軽自動車と登録車のリッターカークラス(大衆車)の競合が激しかった頃で、軽自動車が登録車に対して税制面で有利なことなどによるものだった。

 しかし、TPPでの米国の主張も、日本で米国車が売れないことに対する不満からのゴリ押しであり、「どこの国のメーカーでもつくってもらえばとオープン。優遇税制でもなければ、非関税障壁でもない」というのが日本の主張。米国側も何となく主張を引っ込めてきた状況にある。

 一方、国内自動車業界としても、自動車関連諸税について軽ユーザーの税負担が国際水準であることに鑑み、まず軽自動車の税制をベースに自動車全体の税制を抜本的に見直すべきとの観点で一致してきている。

今や国内新車販売の4割超に
トヨタや日産も乗り出す市場の構図

 今や、軽自動車は国内新車販売の4割以上を占め、特に地方部で需要が根強い。大都市部では、公共交通機関ネットワークが形成され、移動手段として活用されているが、地方ではクルマなくして生活ができない、移動手段が他にないというのが実態だ。「一家にクルマが1台」という時代から、今では「家族1人に1台ずつ」が普通になりつつある地方において、住民の複数台保有には軽自動車が必ず含まれている。場合によっては、軽自動車は一家に2台、3台のケースもある。

 日本国内の自動車市場は、ピークがバブル景気の頂点だった1990年で777万台。これを境に停滞期に移り、現状で500万台のラインをキープしているが、今後の少子高齢化や総体的人口減、消費構造の変化といった要因で市場が縮小する予測が多く出されている。いずれにしても保有の循環ビジネスのトレンドから自動車保有が大きなベースとなる。ただ、7800万台の四輪車保有が横ばいから減少にある中で軽自動車保有は微増の傾向を続けている。