国も「スループット」を後押し

 前回も触れましたが、この資産運用の「スループット」については、今まさに国で議論されているのです。具体的には、DCで資産運用の意思決定をしない人、または意思決定をしたくてもできない人のお金の投資先(デフォルト商品)としては、専門家によってしっかりと分散投資されているライフサイクル型の運用商品(代表的な例:ターゲット・イヤー・ファンド)が適していると明示したうえで、そこへの投資を促すように法律を改正しようという方向で議論が進んでいます。

 そこではライフサイクル投資をデフォルト商品とすることを企業に努力義務として課す方向で検討されています。また、今後活性化すると思われる職場積立NISAにおいても、日本証券業協会がラインナップの中に長期・分散投資型の金融商品を一つ以上加えることをガイドラインに定めています。これらの動きの背景には、インフレや公的年金の減額が予想される中で、『運用しないリスク』が国民の老後生活に与える影響の大きさを国が痛切に感じているということでしょう。

 結論としては、私はオヤジ世代の皆さんにとって資産運用が自分の専門分野、または好きな分野であり、それを実践する時間もあるのであれば、自分自身で資産運用をすべきだと思いますが、得意でもないし好きでもない、しかも面倒くさいと思っているけれど準備しなければならないと認識しているならば、国も後押しする「スループット」運用を活用するのも一つの合理的な選択肢であると考えます。

今回の川柳
やってみよう スループットで 資産運用

※本記事中の発言は筆者の個人的な見解であり、筆者が所属するアライアンス・バーンスタイン株式会社の見解ではありません。