「ロジカルイングリッシュ」
という提案

(3)論理が飛躍していないか?
 論理の飛躍も、本人の気づかないところで起きている。英語の向こうに日本語が透けて見える筆者には、その真意を推し量れる。しかし、日本語が透けて見えない人にとっては「何を言いたいのか、意味がわからない」ということになる。

「話がAからCに飛んでしまっていて、背景のBを説明しないと通じない」「Bは文化や経験を共有している相手にしかわからない。異文化の人にはBも説明しないといけない」と言うと、「全部説明しないといけないなんて面倒くさい」という答えが返ってきたりする。異文化間コミュニケーションというのは面倒くさいのである。しかし、「面倒くさい」などと言っていたら、意思の伝達はできないし、語学はマスターできない。

 これら「伝わらない英語」の主な要因に、皆さんも心当たりはないだろうか?

 こうした問題を解決する方法はないかと考え、生み出したのが「ロジカルイングリッシュ」、つまり、英語を論理的に伝える技術だ。
 「論理的」というと、論文のような難しい印象を持つ人もいるかもしれないが、難しく考える必要はない。「自分の言いたいことが伝わる技術」と解釈してほしい。

 たとえば、「日本語の一字一句にとらわれず、いかに伝えたい内容を伝えるか」、「難しい構文を使わずに、いかに簡単な文で相手に理解してもらうか」、「論理が通った英文を組み立てるにはどうすればいいのか」ということだ。結局は「伝わる英語を身につける」ということである。次回から、具体的なテクニック・考え方をいくつかお伝えする。