TOEIC高得点者ほどハマる
落とし穴とは?

 中学高校では文法を中心に英語を習ってきているので、皆、日本語と英語の文法が違うことは理解しているはずだ。「日本語と違い、英語はS+V+Oの形になる」といったことを学び、主語や動詞、目的語の順番を変えて、“日本語の単語を英語に置き換えさえすれば伝わる”と錯覚している人も多いのではないだろうか。

「○○は英語で何て言うんですか?」とよく聞かれるが、日本語の「○○」という単語に対し、英語にも相当する単語があると信じている人たちが多い。まずは、この壁を乗り越えないと先には進めない。

(2)簡単なことを、「難しく」言おうとしていないか?
 つぶやきであるはずのツイッターでも、学術論文でしか使わないような単語を使っている人がいる。基礎英語力があり、TOEICスコアの高い人のほうが、構文も非常に複雑だったりする。その結果、非常に不自然な英語になっている。

「難しい単語を使うと知的に聞こえる、かっこいい」と誤解している人もいるようだが、これはまったく逆である。日常会話でこうした表現を使うと英語をマスターしていないことを露呈するだけだ。

 ソーシャルメディアでネイティブスピーカーの言葉に触れたり、英米ドラマを見ていたりする人ならわかるように、ネイティブスピーカーは日ごろ、非常に簡単な単語を使っている。日本の中学で学ぶ単語や構文ばかりである。
 コミュニケーションの目的は意思の疎通であり、相手に理解してもらえるよう、難しい内容でも簡単な表現を使って説明できる力こそが評価されるのだ。