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デジタルビジネスの勝ち方

CIOは社内プレゼンス低下の危機に直面している

ガートナー ジャパン
【第6回】 2015年6月1日
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デジタルビジネスで生き残るために
逆転の発想で自分の強みを知れ

 では、CIOはどのように、この状況を変えて行けばいいのだろうか?先ほど、日本のCIOの8割はITの専門家ではないと述べたが、実は、これが大きな強みに変わる可能性がある。

 というのも、デジタルビジネスでは、会計システムに代表される従来型ITとは異なる発想、つまりビジネスの現場視点からの発想が絶対に必要だからだ。営業で顧客と接した経験を持っていることは、新しいビジネスの発想に大いに生きる。

 CIOはこれらの特徴を強みと認識し、CEOに積極的に提言をしていくことができるはずだ。問題はリーダーシップではなく、実働するIT人材である。既存のITとデジタルでは、開発の発想がまったく異なるからだ。

 たとえば、会計システムは、データの誤りがあってはならない。また、企画をして要件を決め、設計・開発を経てテストをするという流れ(ウォーターフォール型)が一般的だ。つまり、ゴールを設定して、それに向かって規律正しく走って行くというやり方だ。

 これに対してデジタルビジネスには、7割ほど作ったら実際にシステムを走らせてみて、走りながら改善を加えるという開発(アジャイル型)が向いている。こちらは、失敗から学ぶことを許容する、いわゆる研究開発(R&D)型のスタイルだ。

 デジタルビジネスを推進するIT人材には、ITの知識とともに、ビジネス現場とITを関連づける力や発想力の方が、より必要となる。社内の経験だけではない。たとえば異業種交流会や勉強会など、会社外でもさまざまな人たちと触れる機会を持っている人材なら、なおいいだろう。また、トライアンドエラーをいとわない、自由な発想の人材が向いている。

 IT部門がデジタルビジネスに本腰を入れたいなら、CIOは既存のIT人材とは別に新しく組織化する決断をしなければならないかも知れない。技術的な問題はベンダーに任せてもいいが、発想し具体化する人材は社内に擁する以外にはない。

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ビッグデータやセキュリティ問題、IoT(モノのインターネット)など、デジタルビジネス時代のITトレンドについて、ガートナーの第一線で活躍するアナリスト、コンサルタントが解説をする。

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