「子どもの貧困対策基金は、『今、国にお金がないから民間で』ということなんだと思います。でもその前に、寄付文化を根付かせたり、税制を整備したりする必要があります。今、日本では、寄付には何のメリットもありませんから」(徳丸さん)

 たとえばCPAOが認定NPOになれば、「寄付したい」という気持ちを持つ人に寄付金控除が適用され、寄付が得やすくなるのではないだろうか?

2014年8月30日「緊急アクション関西 ~子どもの貧困対策大綱できてんて? ほんで、どうすんねん?」で、問題を共有して解決策を話し合う参加者たち。「子どもを幸せにする」というテーマは、関わる大人たちを元気にするようだ
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「認定NPOにすることも考えてはいるのですが、そうすると、膨大な事務作業が必要になるんです。事務担当者を雇って、その人の給料を稼ぐための仕事を増やすことになります。そこまで考えると、認定NPOにすることに大きな意味はないので、今の形のままでどこまでやれるか探っているところです」(徳丸さん)

 寄付以外の選択肢は、行政からの委託だろうか?

「すると、単年度なので、事務担当者の身分や待遇を安定させることが難しくなるんです」(徳丸さん)

 社会的に必要とされる活動を、安定して支えるための資金を確保する仕組みは、現在の日本には存在しない。

「だから結局、『公的な税金で』ということになるんです。安定していると言えるものは、日本には、税金しかありません。キリスト教のように『収入の1/10を献金として社会に捧げる』という文化があるわけではありませんから、個人や企業の寄付に頼るわけにはいかないんです。すると、税金しかありませんが……公的資金を十分に子どもたちに回していただくためには、時間がかかります」(徳丸さん)

 その間にも、CPAOは困難を抱えた数多くの親子に伴走しつづけるしかない。

「公的資金が子どもたちに回ってくるまでの何年間かを待つわけにはいきません。今、目の前の子どもはどうなるのでしょうか? 貧困の連鎖が既に生まれていたり、不登校になって貧困が連鎖しかけている子どもたちは、どうなるのでしょうか? 目の前のことで、精一杯です」(徳丸さん)