保険料を支払っている間に解約すると元本割れに!

 個人年金に話を戻すと、途中解約すると元本割れになること点にも注意が必要だ。現在のような予定利率がかなり低いときの契約で途中解約すると、年金受取開始の数年前まで元本割れとなる商品が多数なのである。

 40歳を過ぎて個人年金に加入しようとすると、保険料払込期間が20年程度と短くなるため、20代や30代で入るのに比べ毎月払う保険料は多くなる。契約当初はがんばって払っていこうと考えていても、子どもの教育費の負担が増す頃になると、保険料が重荷となり毎月の家計が赤字に転落…という家庭は少なくない。

 保険料を払っている間、ほとんどの期間が元本割れなら、もはや貯蓄とは言えないだろう。

「円は超低金利だけれど、外貨建ての個人年金なら有利なのでは」と質問を受けることもある。低金利なのは日本だけではなく、アメリカも同様だ。なので、米ドル建ての個人年金が円建てに比べ特に有利ということはない。

 最近は、オーストラリア(豪)ドル建ての個人年金を勧められることが増えているようだ。低金利の日・米・欧に比べると、金利が高いからだろう。そうはいっても、現在のオーストラリアの政策金利は2%、長期金利(10年国債利回り)は3%なので、長期的に見て魅力のある高金利とは言えない水準だ。

 しかも「外貨建て」なので、為替変動リスクを伴う。特に豪ドルは、米ドルなどに比べマーケットが小さいことから、為替変動の幅は大きい。リーマンショック前の2007年は1豪ドル107円前後、リーマンショックで55円程度まで円高となり、今は95円くらい。これだけ為替変動のブレが大きいと、年金を受け取る数十年後の為替レートは予測もつかないし、老後の安心を得ることが目的の個人年金にはそぐわない。

 円建て、外貨建て問わず、新規加入の個人年金を勧めないとなると、老後資金作りはどんな商品がいいのか。当面の利息は期待できなくても、預金や財形貯蓄で積み立てをしつつ、ある程度貯まったところで投資の練習をはじめるのがいいと思う。預金&投資での老後資金作りの話は、またの機会でお伝えすることにする。