女性をやる気にする伝え方 その4
「身だしなみに気をつける」

 男性同士だと気にならないかもしれませんが、女性は男性の身だしなみを見ています。同じ「ボールをよく見て!」と言われたとしても、鼻毛が出ているとボールよりも鼻毛のほうが気になって、見てしまうもの。説得力も出ません。ノンバーバルコミュニケーションとも言われますが、同じ内容のことを伝えるにしても、身だしなみに気をつけている男性のほうが、圧倒的に説得力があるのです。

 実際、佐々木監督は「家を出る前には必ずかがみの前で立ち止まり、鼻毛、寝ぐせ、シャツの染みやシワなどを確認するようになり、ごく自然な香りのするコロンをつけ、歯も頻繁に磨いて口の中の清潔さにも気を配るようになった」と言います。※自著『なでしこ力』より

女性をやる気にする伝え方 その5
「ひいきしない」

 男子サッカーでは、たいてい監督のお気に入りの選手がいて、それをメディアでも公言したりもします。一方で佐々木監督はそういうことを一切しません。女性は男性よりも、ひいきに非常に敏感です。重要な選手だから、とかわいがると他の選手から「なんで、あの子だけ?」と不満が爆発します。
 澤選手がアルガルベカップ2015の代表メンバーから選外となったとき、会見で問われて

「一人の選手についてコメントするのはフェアではないので、ここでは控えさせて頂きたい」

と答えます。こちらは澤選手への配慮だけではありません。他の選手に対しても、「フェアに扱っているよ」というメッセージとなっているのです。