例えば、不幸にも製品のリコールや何らかの事故が起きた場合で、それ以外のビジネスが大きな影響を受けないなら、不幸な事柄の株価に対するインパクトを測って、株価がそれ以上に大幅に過剰反応することはないかとチャンスを待つ手がある。

 不適切会計のような不祥事の場合も、本業が無事であれば、そのインパクトを評価して、過剰反応を待てばいい。

 今回の東芝よりももっと露骨だったが、長年大規模な損失隠しを行っていたオリンパスの場合、株価は一時大幅に下がった。安値で買えた人は相当に儲かったはずだ。

発行株数を覚えておけ
悪事を株価に換算すると…?

 東芝株の今後を見る上で大事な数字が「42億」だ。同社の発行株数である。厳密には、あと3700万株と少々の端数が付くが、概数で構わない。

 例えば、同社の不適切会計で修正されるべき過去の過剰な利益計上が2000億円であったと分かったとしよう。この場合、2000億を42億で割り算して、47.6円が、過去の悪事を株価に換算した値段ということになる。

 仮に、この問題の影響が、今後には何もないとしよう。問題が表面化する前の株価評価が適当だったのだと仮定すると、表面化後の適正株価は、問題発生前の株価マイナス47.6円だと概算することができる。

 東芝の場合、4月上旬に問題が表面化してから、調査のための第三者委員会が立ち上げられて、3ヵ月ほど時間が経過したので、その間のビジネス環境・市場環境の変化を考える必要がある。が、それでも、新情報のインパクトが明らかになるのに1、2年あるいは数年以上もかかることがある新製品・新技術の情報のようなポジティブ情報よりも、問題の株価に与える影響を評価しやすいのがネガティブ情報の特徴だ。

 ちなみに、問題が表面化する前の東芝の株式は500円と少々のレベルで取引されていた(4月3日の終値は512円40銭。この日の日経平均終値は1万9289円だった)。