共産党の意思や立場を代弁する機能を持つ党メディアである新華社発のこの記事は、日本の民意も大きく割れており、同法案を懐疑的に見る民意が支配的であると指摘する。

「日本の主流な民意は、“専守防衛”を堅持する国策だけが日本の安全を保証し、世界的な範囲で武力を行使できるのを許すことは、日本が侵略戦争の歴史を繰り返すことにつながると思っている」「戦後、日本は終始“平和国家”として自らをアピールしてきた。今回の安保関連法案の強行的通過は、70年を通じて苦労して築き上げた国際的イメージをぶち壊すようなものだ」

 また同記事は、安倍首相の目的は憲法第9条の改正であるが、それは難易度が高いため、憲法解釈の変更という“ショートカット”を選択した、そして、憲法改正という厳格な手続きを踏まずに集団的自衛権を解禁したやり方は、実質的に憲法第9条を覆す性質のものだと批判を加えている。

「東アジアの安定に不確定要素」
日本問題の専門家たちが抱く不安

 日本問題を研究する専門家たちの主張をレビューしてみよう。

 対日世論の形成過程で登場することの多い政府系シンクタンク・社会科学院日本研究所の高洪副所長は、対日強硬的な報道をする傾向が顕著な《環球時報》の取材に対して次のように主張している(7月17日記事)。

「衆議院が新安保法案を通過させたのは、自らと米国を緊密にくっつけ、グローバルな範囲での軍事協力を通じて米国が主導する戦争に参加する意思を示している。と同時に、中国を最大の脅威、そして仮想敵国と見なしており、東アジアにおける軍事対抗の要素を増大させるものである」

 国営新華社通信は、7月17日、日本問題の専門家たちの安保関連法案通過に対する“解読”を紹介している。

「安保法案の核心は日本に集団的自衛権をもたらすものであり、日本はこれから自由に海外派兵できるようになる。安保法案の通過は、現行憲法を骨抜きにすることにほかならず、実際に、日本の自衛隊と一般的な軍隊の唯一の区別はその名称である」(周永生・外交学院教授)

「安保法案は日本の平和理念を覆すものであり、その通過は非常に危険で、地域の安定に多くの不確定要素をもたらし得る。また、これまで軍事的には米国が日本を守るという要素が多かったが、これからは日本もこれまで以上に米国に対して軍事的支持を施すことが可能になる」(胡令遠・上海復旦大学日本研究センター主任)