公的年金は破綻しない
ただし大幅減額に備えるべし

 保険に似たものとして、大方の関心があるのは、年金、特に公的年金の行く末だろう。巷間、公的年金は破綻するという言説が少なくないが、本当なのか。

 拙著で筆者が述べた結論は、公的年金は、良くて今の2割減、悪いとざっと3、4割減くらいまで減るが、企業の倒産のようにポッキリと無くなる種類のものではないということだ。

 年金は、それだけで十分頼りになるものではないが、少しは計算に入れてもよいということである。

 ただし、それだけでは足りないだろうから自ら将来に備えよというのは、NISA(少額投資非課税制度)や確定拠出年金の拡充からも伝わってくる政府のメッセージなので、これには真に受けて取り組むほうがいい。

損をせずに、爽やかに
お金と付き合おう

 お金の問題は、騙されたり、間違えたりすると、意思決定レベルで(結果論ではなく)いくら失敗してどれくらいバカだったのかが数量化できる世界だ。この世界は、合理的な意思決定ができないと「悔しい!」のが大きな特徴だ。

 経済的に正しい意思決定をする上で、頻繁に盲点となりやすいのが、「機会費用」の入れ忘れと、「サンクコスト(埋没費用)」の抜き忘れだ。

 知的レベルの高いダイヤモンド・オンラインの読者に、機会費用やサンクコストについてあえて語ることは失礼だと思うので、ここでは説明しないが、拙著ではこれらの概念とその重要性もそれぞれトピックを立てて説明した。

 全ては、それ自体が「目的」なのではなく、合理的・効率的に使われるべき「手段」であるお金と爽やかに付き合うためだ。筆者にとっては、健康人が日常は空気について意識しないように、「吸った息を吐くように」お金と関わる人生が理想である。