興味深い研究結果

 すると、昼寝をした子の成績は、2回目のテストでも、24時間後のテストでも、テスト直後の成績と変わらないのに、昼寝をしなかった子の成績は、2回目のテスト、24時間後のテストとも、直後のテストの60%の出来に下がっていました。

 そこで、昼寝群と同様な昼寝をした子ども14人の脳波を記録し、睡眠の状態を調べました。

 全睡眠時間は74分で、「徐波睡眠」が95%、「逆説睡眠」(レム睡眠)が1%でした(→「徐波睡眠」と「逆説睡眠」については、『赤ちゃん教育――頭のいい子は歩くまでに決まる』でくわしく説明したので、参考にしてください)。

 子どもの昼寝習慣を調べてみると、週2日昼寝をする子より、週5日昼寝をしている子のほうが、記憶能力が高かったのです。

「睡眠紡錘波」は10~13ヘルツの周期的な電位が「+」になったり、「-」になったりして、ピークが「紡錘状」の格好をしています。

 電位が「+」になるときには、神経細胞は働いていますが、電位が「-」のときには働いていません。
 大脳皮質全体で見ると、徐波睡眠時には、半分の数の神経細胞が働いています。

徹夜は「百害あって一利なし」

 いま、脳科学の世界では、睡眠中に学習が起こり、学習が固定化されるということが起こるとするデータが増え続けています。

 ただ、睡眠を、脳科学で定義すると、わかりにくいものになります。

 学会では、「意識がなくなっていて、刺激に対する反応性が低下した状態」いうややわかりにくい定義が提案されています。

 私がよく定期試験を受ける学生に言っていることですが、徹夜して何かを覚えて試験を受けるのは非常によくないですよ!

 試験まで、起きている時間が長いほど、覚えたことを忘れていきますよ!
 試験内容を覚えたら、睡眠をとるのがよいのです。

 まだ、それを真剣に聞いてくれる学生に出会ったことがない!(笑)
 ぜひ実行してみてくださいね。