軽減方式、軽減対象、軽減の実施時期、そもそも消費税率10%への引き上げの実施時期などに関して、多くの組み合わせがありそうで、議論は、それこそ「面倒くさい」。しかし、ものは考えようで、消費税率の引き上げと軽減税率について関心が高まり議論する環境となってきたのはいいことだ。

 あらためて問題を考えるとすると、論点は3つに整理できる。問題が小さい方から順に、(1)軽減税率の実現方法、(2)品目別の軽減税率の可否、(3)税率引き上げの可否、だ。

マイナンバーカード方式は面倒で物騒
良い点もあるが政治的に嫌われそう

 軽減税率の実施方法は、大きく言って2つある。財務省が提示した前述の(a)マイナンバーカード方式と、もともと想像されていた(b)品目別の税率設定方式だ。

 買い物の際にマイナンバーカードを提示する方法には、税率軽減の対象から外れそうでおそらく大いに慌てた新聞が批判的なこともあって、唐突感と違和感を覚える方が多いと推測する。だが、秀才揃いとされる財務省が考えただけあって、良い点もある。

 それは、そもそも食料品などの税率軽減は、消費税が所得の少ない人ほど大きな比率で税金を支払う「逆進性」がある、とされていることに対する対策だからだ。そのための方法として評価すると、還付の額に上限を設けて、高額消費者への還付額を抑えるのは合理的だ。

 一方、マイナンバーカード方式では、読み取り端末の設置にコストと手間が掛かり(それなりの利権になりそうだ)、また、消費者がマイナンバーカードを持ち歩くことは面倒だし、少なからず物騒でもある。

 例えば、新聞業界は新聞代への軽減税率の適用を強く主張するが、これがマイナンバーカードによる軽減税率の対象になった場合、新聞の販売店に新聞代を払う際にマイナンバーカードを提示するのは怖いと思う家庭が少なからずありそうだし、新聞屋になりすましてマイナンバーを盗み出して詐欺等に利用する例が多発しそうに思える。あまり面白がってはいけないのだが、これは新聞業界としては、何としても阻止したい方式だろう。