FOMC参加者の政策金利の見通しはわずかに下方修正された。2015年中の利上げ開始見込みは17人中13人と、前回見通しから2人減少した。政策金利見通しの中央値は2015~2017年のいずれも前回調査から0.25%ポイント低下したが、これは今回の利上げ見送りによる水準訂正を反映したものである。利上げ開始後の利上げペースの見方についてはおおむね変更がなく、年間1%ポイント程度のペースが見込まれている。

市場の混乱は米国に波及しなければ
政策変更には影響しない

 利上げ開始は「データ次第」という姿勢は変わっていないが、雇用環境を中心とした経済状況は、ほぼ利上げが可能な程度まで改善が進んでいるとみられる。一方のインフレ率の低迷は少し長引くが、あくまで「一時的」であることを強調しており、雇用環境の改善に伴って、エネルギー価格の低迷などの影響を除いたコアのインフレ率の上昇が期待されていることになる。すなわち、インフレ率が2%に上昇するための「合理的確信」に至る一歩手前の状態にあると考えているのだろう。

 今回の会合で、海外経済や金融市場の混乱が収束することが利上げ開始には必要となったが、例えば中国経済が急速に加速するなどの改善までは必要とされないだろう。イエレン議長は会見において、中国経済の減速は以前から予期されていたことであり、サプライズではないと述べている。

 声明文にある、相場変動の背景にある経済動向への注目とは、中国経済がさらに減速する可能性などであって、金融政策は日々のマーケットの変動に左右されるべきではないとも述べている。市場の変動が経済に悪影響をもたらすのであれば、乱高下の推移を見極める必要性が出てくるが、米国経済に直接波及するようなイベントが生じなければ、8月以降の市場の混乱による問題は沈静化したとみなされるに十分であろう。

 米国の利上げという政策変更が市場の混乱のきっかけになるとしても、米国経済にネガティブでない限り、政策変更への影響は限られるということだ。

もう一つの条件は財政問題の解決
債務上限の引き上げが不可欠

 また、10月から11月にかけて、予算作成、債務上限問題、その他の法律の期限切れがある。9月は米国の財政の年度末であり、暫定予算であっても予算が成立しなければ、2013年10月のように連邦政府の一部が閉鎖されるリスクがある。同時に、2013年3月に始まった歳出の強制削減措置を一部緩和する法律や、輸出入銀行や中小企業庁によるローンの保証業務、高速道路等建設基金の裏付けとなる法律の更新も必要である。