フレームワークがあると「バカの壁」に気づける
たとえば「マーケティングの4P」が、多くの人にとって有用なフレームワークである理由はどこにあるだろうか?
そう、それは「マーケティングに必要な要素をMECEに分けてくれる境界線」として、一定の信頼を得ているからである。
たとえば、あるメーカーの売上が落ちたとき、開発部門の人であれば「トレンドが変わったんだ。商品をリニューアルしよう(製品)」というアイデアが浮かぶ。
営業部門の人であれば、「陳列の状況が悪いのではないか(流通)」、宣伝部門の人であれば「商品の知名度が下がっているのではないか(プロモーション)」と考えてしまうかもしれない。
多かれ少なかれ、人は自分が抱える仕事の視点にとらわれて問題を見てしまうのである。
しかし売れなくなった原因は、競合商品が値下げを仕掛けてきたことにあるかもしれない(価格)。にもかかわらず、価格戦略にまで発想が広がっていかない。その結果、「発想の見落とし」が起き、競合に敗北することになるのである。
こうした見落としは、たとえば4Pというフレームワークを参照していれば防げたかもしれない。
直感的には「売上不振の原因は商品そのものにあるはずだ」と思ったのだとしても、一旦はその仮説をわきに置いて、製品(Product)、価格(Price)、流通(Place)、プロモーション(Promotion)の4方向から、なるべく広くたくさんの仮説を出してみる。
そうすることによって、先述のような見落としを避けることができるのである。